COMOLY お役立ち情報 vol.1
公開:2021年1月22日
発行:COMOLY
ひきこもり当事者に知って欲しい!【前編】障害年金の申請方法と受給までの流れ
執筆:レイブル 氏
COMOLY 登録者
ひきこもり当事者の方に、ボランティアで障害年金相談&申請のお手伝いをしている、レイブルと申します。
多様な当事者の方がおられる中で、「該当する方、全員が障害年金を貰える世の中にしたい。」
という願いから、社会保険労務士試験に合格した知見を活かし、ボランティア活動を始めて1年が経ちます。
僕は、長期のひきこもり当事者で、あなたの味方です。
一般の方々に怒られそうな内容も含まれていますが、ぜひ当事者の方に見てもらえたら幸いです。
宜しくお願いします。
目次1: 障害年金が貰える病気や障害とは?
①身体の障害
聴覚障害、視覚障害、脳梗塞、くも膜下出血、腕や脚の機能マヒ、人工肛門等
②内臓器官の障害
気管支喘息、肝炎、糖尿病、がん、慢性腎炎、心筋梗塞、白血病HIV感染症等
③精神の障害
うつ病、双極性障害、統合失調症、てんかん、知的障害、発達障害等
ひきこもりの方は「統合失調症」「発達障害」と、診断されるケースが多いようです。
僕もそうですが、ひきこもっていると病院に行く気にもなれず、ご自身の病気や障害などの特性に気が付かない方も、まだ、沢山いらっしゃるのが現状。
医師から病気や障害と診断してもらえれば、障害年金への道が開ける可能性が出てきますので、ぜひ一度、通院してみて下さい。
目次2: 障害年金の金額
初診日に、国民年金だったか、厚生年金だったか、子供がいるか、配偶者がいるかで、障害年金の金額は変わってきます。
ひきこもりの方の場合、国民年金で独身の方が多いので、今回は「障害基礎年金(国民年金)」で貰える金額をご説明します。
障害基礎年金を貰える方には、「障害年金生活者支援給付金」も支給されるので、両方を合わせた合計金額を記載します。
僕の知り合いの方は、大体が2級を貰っていて、振り込みが「偶数月の15日」なので、二か月に一回、14万円以上貰えています。
決して多くは無いと思いますが、確実に入ってくる収入はありがたいですよね。
目次3: 申請から受給までの大まかな流れ
色々とやることがあって、結構、めんどくさそうですよね? でも、これは本当に大まかに並べただけで、実際はもっとめんどくさいです(笑)。
だからこそ、障害年金を申請できず諦めてしまう方も多いんですよね…。
一応、申請を代理してくれる社労士に依頼するという方法もありますが、手数料が掛りますし、自分の病気や生活などプライベートな事も、洗いざらい、話さなければなりません。
ちなみに手数料は、社労士によって異なりますが、相場としては、
①障害年金の2ヶ月分
②最初に振り込まれる障害年金の10~20%
のうち、金額が大きい方を採用するケースが多いです。
①の場合、大体13万円程度で済みます。
ですが「遡及申請」が通り、過去5年分の障害年金が一度に貰える場合には、②が適用されてしまい、最高で約100万円程度の手数料を取られるので、痛すぎます。
目次4: 初診日とは?
初診日は、“障害の原因となった傷病について、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日”です。 障害年金を申請する時に、最も大切と言われる初診日。
残酷な話ですが、この初診日が証明できない場合や、初診日に年金保険料の支払いを滞納していた場合、障害年金は貰えないことになります。
証明できない場合とは、例えば最初に行った病院が、すでに潰れているケース、昔のカルテが破棄されているケースなど。
ただし、その場合は、お薬手帳や診察券で証明できたり、二番目の病院で紹介状が残っていたり、証明してくれる第三者がいたりすれば、初診日認定してくれる「救済措置」があります。
ところが、初診日に年金保険料が未納の場合は、残念ながら対策がありません。
ですが、「だから年金は絶対に払おう!」
なんて優等生発言は絶対にしないので、ご安心ください。
目次5: 国民年金保険料を滞納しない方法
2020年度の国民年金保険料は、月額1万6,540円。
ひきこもり当事者の僕も、昔から思っていましたが、こんな大金を支払えるわけがないですよね。
そこで便利なのが "国民年金保険料免除・納付猶予制度" です。
この手続きさえしておけば、年金機構からの恐怖の督促封筒や、代行会社からのしつこい電話&訪問催促は来なくなります。
更に、初診日にこの免除・納付猶予していれば、支払っていたのと同等の扱いを受けることが出来ます。
要するに、年金保険料を実際に支払っていなくても、障害年金が貰える権利を得られます。
国民年金保険料を滞納している方は、必ず「国民年金保険料免除・納付猶予」を申請しておいてくださいね。
目次6: 病院で貰う書類
病院で用意してもらう書類は、
・受診状況等証明書(初診日の病院)
・診断書(現在の病院)
主に、この2つ。
ちなみに、初診日と現在通院している病院が同じであれば、受診状況等証明書は不要で診断書のみで大丈夫です。
「受診状況等証明書」は、簡単に言えば「うちの病院が初診日でしたよ~」という、証明をしてもらう為の書類。
最も重要なのは、診断書の方。
この診断書で、障害年金が貰えるかどうか、ほぼ決まると言って良いほど重要です。
これを年金機構が審査し、障害年金の支給か不支給かを最終判断する流れ。
1人の医師が書く診断書で、障害年金を貰えるかどうか決まってしまうので、医師がどう書いてくれるか、不安で仕方ないですよね。
なので、通院している時に、医師に自分の症状を正しく伝えられているかが、大切になります。
こうした医師への伝え方なども含め、次回の後編の記事では「診断書対策」について、詳しく解説します。ぜひ、そちらもご覧ください。
目次:7 自分で書く病歴就労状況等申立書
先ほどの診断書は医師が書きますが、提出する書類の中で、唯一、自分の症状を自分の言葉で伝えられるのが、この「病歴就労状況等申立書」。
通院歴から当時の症状、生活で不便に感じることなど、今までの経過を、自分で思い出しながら書けます。医療専門用語などの難しい言葉ではなく、普通に使っている簡単な言葉で大丈夫です。
目次8: 必要な書類まとめ
【障害年金申請に必要な書類
・受診状況等証明書
・診断書
・病歴・就労状況等申立書
・年金請求書
・年金手帳
・戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明書、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
・受取先金融機関の通帳等
・その他(本人の状況によって必要な書類あり)
以上を準備して、役所に提出します。
この書類を全て揃えるだけで、一カ月は掛かると思います。
昔の病院に電話して初診日を調べたり、診断書を書き渋る医師を説得したり、病歴・就労状況等申立書を、頭を痛めながら書いたり、必要書類をかき集めたり…。
「障害年金申請できるほどの体力と忍耐力あったら普通に仕事できるわ!」
と、ツッコミたくなる程の重労働ですよね。
目次9: 僕がボランティアでお手伝いします
めちゃくちゃ大変な作業だと思いますが、最初の相談から、実際の申請まで、お手伝いできる部分は、僕が全て無償でお手伝いします。
お金は一切取らないボランティアなので、ご安心ください。
「えっ?怪しくない?無料(ただ)より怖いものは無いんだけど…?」
と、逆に不安に感じた方へ、僕のメリットも正直にお話させていただきますね。
4年間の勉強の末、社労士試験に合格し「これで、ようやく、ひきこもりから抜け出せる!」と意気込んでいたのですが、実際に社労士事務所の求人に応募したら、何の職歴もない長期ひきこもりのせいか、不採用の連続。
結局、どこの事務所も僕を雇ってくれませんでした。
やっぱり社会は厳しい…と痛感。でも、最初から一人でやろうと思っても、実務経験が無いので難しい。
そこで、ボランティアとして実務経験を積んでいきたいと思い、現在、ひきこもりの同志達限定で、障害年金のお手伝いをしています。
障害年金に興味ある方からのご連絡、お待ちしております。